NEWS RELEASE
「生活者1万人アンケート」で生活者の「景況感」を調査
〜18.3%が「景気がよくなる」と実感、20.6%が今以上の収入を前提に将来設計〜
NRI「生活者1万人アンケート調査結果」(1)


2006年10月3日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2006年7〜8月、日本国内の生活者1万人を対象に「生活者1万人アンケート」を実施しました。NRIでは、1997年以降3年おきに、このアンケートを実施しており、今回の結果について過去のアンケートと比較・分析しました。第一弾として、今回は生活者の景況感についての分析結果を公表します。

 今回の調査で、景気や収入に対して前向きに考えている生活者が前回調査の2003年に比べて増加していることがわかりました。
 今年から来年にかけて「景気がよくなる」と考えている人は18.3%で、1997年以降で最も多くなっています(図1)。生活者も「景気回復」に対する確かな手応えを感じてきていると言えるでしょう。しかし、過去の調査結果の推移を見ると、1997年から2000年にかけていったん好転した生活者の景況感が2003年には悪化しました。この繰り返しを防ぐには、生活者が手応えを感じ始めている“好景気”を継続させることが、今後、重要になるでしょう。

 今回の調査では、長期的な生活設計にも明るい兆しが見えてきました。「今後の生活設計をする上で、収入の増減をどのように考えているか」を聞いたところ、「今以上の収入を前提としている」人が20.6%でした(図2)。この値は1997年から2003年にかけて減少傾向にありましたが、2006年の調査では増加しました。2003年時点では「今以上の収入を前提としている」人を、「今よりも少ない収入を前提としている」人が上回り、“右肩下がりの生活設計の時代”でした。この背景には、終身雇用制度の崩壊などがあると考えられます。そのような状況を経て、“右肩上がり”で生活設計をする人が増えてきたことは、長期的な景気動向について明るさを感じる人が増えてきたためと考えられます。
 同じ質問についての回答を年齢別に見ると、「今以上の収入を前提としている」人の増加は20代、30代で顕著です(図3)。1997年から2003年にかけては、この年齢層の人たちが将来設計に悲観的になったことで、全体的に“右肩下がり”で将来設計をする人の割合が増えましたが、これまで将来に備えて消費を控えていた若齢層が将来に対して明るい希望を持つようになったことで、今後の消費が活発化する可能性が大きくなりました。

 しかしながら、自らの収入については明るい希望を持っているものの、今後の増税や社会保障制度に不安を抱いている人も多くいます。「税金、社会保険料の増加」については、「不安と感じている」人は33.0%おり、2000年以降増加傾向にあります(図4)。したがって、今後の税制改正の状況次第では“右肩上がり”の生活設計に水を差す可能性もあります。

 生活者の景気や収入に対する考え方は、2006年にやっと前向きになったばかりです。短期的な景気好転の実感があり、生活者は長期的な収入についても明るい希望を持ち始めました。本格的な景気回復のためには、これらの意識を確実に消費につなげることが重要になります。そのためにも、将来に対する漠然とした不安を取り除くことが求められます。



【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
野村総合研究所 広報部 瀬戸、小原 TEL:03-6270-8100 E-mail:kouhou@nri.co.jp


【ご参考】

調査概要
調査名 NRI「生活者1万人アンケート調査」
実施時期 2006年7〜8月(同様の調査を1997年、2000年、2003年にも実施)
方法 訪問留置法
対象 全国の満15〜69歳の男女個人
有効回答数 10,071人(1997年は10,052人、2000年は10,021人、2003年は10,060人)


図1:今年から来年にかけて「景気」がどうなると考えているか
図1:今年から来年にかけて「景気」がどうなると考えているか



図2:今後の生活設計をする上で、収入の増減をどのように考えているか
図2:今後の生活設計をする上で、収入の増減をどのように考えているか




図3:今後の生活設計で「今以上の収入を前提としている」人の割合(年齢別)
図3:今後の生活設計で「今以上の収入を前提としている」人の割合(年齢別)




図4:将来、「税金、社会保険料の増加」「社会保険制度の破綻」に不安を持つ人の割合
図4:将来、「税金、社会保険料の増加」「社会保険制度の破綻」に不安を持つ人の割合



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