NEWS RELEASE
「2010年、日本の未来を提案します。」
家庭向け光ファイバーは6,483億円市場に、
消費者向けIP電話と地上デジタル放送も普及拡大

〜2010年までの国内IT主要市場の規模とトレンドを展望(1)〜

2005年12月7日
株式会社野村総合研究所

 株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下「NRI」)は、2010年までの国内IT主要7市場の市場分析および市場規模予測を行いました。第一弾として今回は、ブロードバンド市場7分野、放送市場6分野、セキュリティ市場4分野の2010年までの市場規模予測結果を発表します(各分野の定義は参考資料をご参照下さい)。今後、携帯電話、eビジネス・ライフ、ハードウェア、プラットフォームの各市場規模予測を公表する予定です。


● 各IT市場の予測
(単位:億円)
市場・分野   2005年度 2006年度 2010年度
ブロードバンド市場 FTTH 2,113 2,916 6,483
ケーブルテレビインターネット 1,837 1,946 1,745
ADSL 5,566 5,779 4,234
公衆無線LAN 92 171 376
IP-VPN、広域イーサネット 5,364 5,985 7,640
ISP 7,113 7,268 7,353
IP電話(注1) 9,076 11,356 16,236
放送市場 地上デジタル放送 2,299 4,493 18,507
BSデジタル放送 1,459 2,013 4,918
ケーブルテレビ 2,252 2,414 2,743
移動体向け放送 0(注2) 5 502
ネット放送 90 190 940
VOD 90 140 620
セキュリティ市場 ウイルス対策 599 676 1,008
情報漏えい対策ツール 320 360 472
バイオメトリクス(生体)認証機器 128 158 242
セキュリティサービス 1,100 1,140 1,370


(注1) ここでは、一般消費者向けIP電話の加入者数。単位は千加入。
(注2) 2006年4月のワンセグサービス(13セグメントに分割された6MHz帯域の1セグメントを利用するサービス)開始以降に立ち上がる市場であるため。


 ブロードバンド市場では、家庭内でADSLからFTTH(光ファイバー)への移行が穏やかに進みます。今年7月末の総務省情報通信審議会で、光ファイバーとIP技術を使った地上デジタル放送再送信を全国で展開することを認める方針が打ち出されました。それを受けて今後は、ブロードバンド環境を活かした映像配信サービスの拡充がFTTH普及を牽引。家庭向けFTTH分野は、2010年には加入世帯数1,488万、市場規模6,483億円にまで伸びると予測されます。また、消費者向けIP電話分野は、固定電話通信事業者による同番移行可能なIP電話サービスが提供されたため、ブロードバンドの普及に伴い加入者数が拡大するでしょう。2010年には1600万人超の加入者数に達する見込みです。
 放送市場は、地上アナログテレビ放送の停波に伴う消費者の受信機買い替えコスト負担や難視聴世帯への対策など諸問題があるものの、地上デジタル放送は普及が進みます。2010年には普及世帯数3,512万、市場規模1兆8,507億円になると予測されます。また、移動体向け放送分野は、2006年に携帯電話向け地上デジタル放送が開始されるのに伴い、市場が立ち上がります。携帯電話やカーナビゲーションシステム向けの新サービスの目玉となることから、市場は急速に成長し、2010年には502億円規模に達するでしょう。

 セキュリティ市場は、個人情報保護対応は一過性の特需であり、今後は堅調な伸びを続けます。情報漏えい対策ツール分野は、2005年の320億円から2010年には472億円に、セキュリティサービス分野は2005年の1,100億円から2010年には1,370億円に、穏やかな成長をする見込みです。

 今回のIT市場予測は、2000年、2001年、2003年、2004年に次いで5回目になります。IT市場を取り巻く環境変化はめまぐるしく、技術革新による新しいサービスやプレイヤーの出現によって、市場予測の前提条件が変わってしまいます。そのため、NRIでは予測の改訂作業を適宣進めています。
 なお、今回の予測結果の詳細は、12月下旬に東洋経済新報社から発行予定の単行本『これから情報・通信市場で何が起こるのか〜IT市場ナビゲーター2006年版〜』に収録されます。



【お問い合わせ先】
野村総合研究所 広報部 瀬戸、野村 TEL:03-6660-8370 E-mail:kouhou@nri.co.jp


2010年、日本の未来を提案します。野村総合研究所(NRI)では、2010年、さらにはその先の日本の社会・産業のあり方に ついてシリーズで提言していく、「2010年、日本の未来を提案します。」キャンペーンを、2005年9月から実施しています。このニュースリリースも本キャンペーンの一環として発表したものです。NRIの提案がきっかけとなり、日本の産業界や社会で、未来に向けた夢のある目標づくりが展開されるよう、今後も、ニュースリリース、単行本出版、セミナー開催などを通じて積極的な提案活動を推進していく予定です。


(参考資料:各分野の定義)
●ブロードバンド市場
FTTH 家庭向けの光ファイバーによるブロードバンド接続市場を対象としている。家庭まで直接光ファイバーが引き込まれている場合と、集合住宅において光ファイバーとVDSLなどを組み合わせた場合(FTTB+α)も市場も含まれている。
ケーブルテレビ
インターネット
ケーブルテレビ事業者により、ケーブルテレビネットワークを用いて提供される家庭向け(戸建・集合住宅を含む)ブロードバンドインターネット接続サービスの市場。
ADSL 家庭向けに提供されるADSLによる接続サービス市場を対象としている。企業向けに提供され、上下の速度が対称であるSDSLや、集合住宅までは光ファイバーを用い、集合住宅内だけで提供されるVDSLは含まれない。
公衆無線LAN パブリックスペースで利用できる公衆無線LANサービス利用者からの契約金、月額利用料金および一時利用による利用料金の総額。なお、市場規模予測にはISP料金は含めていない。また、アクセスポイント設備を有料で提供するかたちのビジネスモデルにおける、設置費用と運用費用は含まれない。
ISP 家庭ならびに企業に対して、ダイヤルアップ、ADSL、ケーブルテレビ、光ファイバー、専用線、無線などのアクセス回線を通じて提供されるインターネット接続サービスの市場。アクセス回線の通信料金や利用料金は含まれない。また、利用にあたって必要とされる初期費用(工事費や手数料)およびモデムレンタル料についても市場規模には含まれない。
IP電話 IP電話サービスのうち、特に一般消費者向けのサービスであり、かつPCではなく普通の電話機を使って利用可能なIP電話サービスを推計の対象としている。NTT局舎間の中継網のみをIP化した電話サービスは含まれない。



●放送市場
地上デジタル放送 広告料、および受信料(NHKの場合)を対象とする。移動受信端末向けの1セグメント放送(ワンセグ)は含まれない。
BSデジタル放送 広告料、受信料(NHKの場合)、視聴料(民放の有料事業者の場合)を対象とする。将来的に予測される電子商取引などからの手数料は含まれない。
ケーブルテレビ 加入者からの初期加入料、有料番組視聴料、ホームターミナルレンタル料、広告収入など。デジタル化後に登場が予測されるPPVやVOD、双方向サービスは含まれない。また、難視聴対策やケーブルインターネットも含まれない。
移動体向け放送 携帯電話機および車載情報端末等の移動体機器向けに行われる放送サービス。従来型のテレビ・ラジオ放送のようなアナログ放送サービスを除く。この市場は、広告料や視聴料から構成されると予想されるが、まだ放送開始前のサービスが大半であることから、移動体機器の付加価値分の増分として市場を捉える。機器等の販売による収入や放送サービスを介したコンテンツ販売や物販による収入は含まれない。
ネット放送 光ファイバーやADSLなどのブロードバンド回線経由で提供される有料放送サービスに対して、利用者が支払う金額の合計値と定義する。スポンサーとなる企業が映像配信メディアに対して支払う広告・宣伝・販促費用は含まれない。
VOD 映画やアニメ・ドラマなどの30分から3時間程度の比較的短時間の映像コンテンツを、インターネットやケーブルテレビ網などの通信路を通じて視聴する権利を購入するためにエンドユーザーが支払う金額の合計値と定義する。スポンサーとなる企業が映像配信メディアに対して支払う広告・宣伝・販促費用は含まれない。



●セキュリティ市場
ウイルス対策 コンピューターのウイルス感染を検知し、駆除するソフトウェアの市場。消費者向け市場は、PCに導入して利用するソフトウェアおよびそのライセンス更新料の市場であり、企業向け市場はメールサーバーなどのサーバーやゲートウェイ、デスクトップにて利用されるソフトウェアおよびライセンス更新料の市場である。アプライアンス製品や、ISPが提供する有料のウイルス対策は含まれない。また、携帯電話や情報家電のウイルス対策も含まれない。
情報漏えい対策
ツール
企業の機密情報や個人情報などの情報漏えいを防ぐために、クライアントPCに導入するソフトウェアおよびその管理サーバーに導入されるソフトウェアの市場。情報漏えいを防ぐ機能に加え、資産管理やウイルス・スパイウェア発見の機能をもつ製品もあるが、これらについても市場規模算出の対象とする。システム構築や保守、アウトソーシング、コンサルテーションなどのサービス料金については含まれない。また、シンクライアント端末も含まれない。
バイオメトリクス
(生体)認証
身体的特徴である指紋、静脈、虹彩、顔を利用した認証システムにおけるセンサーモジュール及び認証ソフトウェアを対象市場とし、(1)オフィス・マンション等の入退室管理、(2)パソコンや周辺機器、携帯電話などIT機器のアクセス制御、(3)金融機関のATM利用の各用途に限定し、積み上げにより市場を予測した。なお、携帯電話のカメラなど、他の用途向けのデバイスを活用するケースでは、そのデバイスは対象市場から除いている。
セキュリティサービス (1)セキュリティポリシーの策定や情報セキュリティ関連認証取得などの支援を行うコンサルティングサービス、(2)管理職向けの集合型研修やセキュリティ技術専門担当者の認定資格取得のためのトレーニングなどを行う教育サービス、(3)ネットワークやOS、Webアプリケーションにおけるセキュリティ脆弱性の診断やサーバーのパッチマネジメントを行うサービス、(4)ファイアウォール機器などの情報セキュリティ対策製品を対象として、その運用や状態の監視、ウイルスの侵入、不正アクセスなどの監視などを行うサービス、(5)ホームページ、ファイルの改ざんの監視や電子メールのフィルタリングを行うサービスなどが含まれる。ここでは、各サービス市場の総和として、セキュリティサービス市場を定義する。



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