2005年12月5日
株式会社野村総合研究所
株式会社野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:藤沼彰久、以下「NRI」)はこのほど、2005年10月にインターネット上で実施した「仕事に対するモチベーションに関する調査」(上場企業の20〜30代の正社員を対象、1000サンプル)の分析結果をまとめました。それによると、現在の仕事に対して無気力を感じる人が75.0%にも達し、若者のモチベーション低下が顕著であることがわかりました。NRIでは、凋落傾向にある若者の働くモチベーションを再生することが、2010年以降の企業の競争力アップにつながると考えています。具体的な再生手段として、「仕事の動機付けにつながるミッションの樹立」、「挑戦機会の増設」、「周囲のモチベーションを生み出す人材の抜擢」の三つを提案します。 75%が現在の仕事に無気力感、約半数が潜在的な転職志願 今回の調査から、仕事での成長実感が薄く無気力を感じ、仕事に対する社会的意義も感じられず、容易に転職を考えがちな若者の姿が浮き彫りになりました。現在の仕事に対して無気力を感じる人は75.0%(「よく無気力を感じる」16.1%、「ときどき無気力を感じる」58.9%)でした(図1)。また、3年前と比較して「あまり成長した実感がない」が42.5%に達し、「成長した実感がある」の38.7%を上回りました(図2)。成長に対する停滞感は特に30代で高くなっています(男性49.0%、女性47.5%)。さらに、現在の仕事に「社会的使命感を感じない」(「どちらかといえば」を含む)は31.7%で、「社会的使命感を感じる」(「どちらかといえば」を含む)の29.5%を超えています(図3)。特に女性の中で、社会的使命感を感じていない人の割合が高くなっています(20代37.3%、30代41.8%)。 今後の就業意向については、「定年まで勤めたい」は17.9%に過ぎず、「あと10年以上は勤めたい」(9.9%)と合わせても長期定着意向は3割にも達していません。逆に、「機会があればすぐにでも転職や独立をしたい」(18.7%)、「3年以内に転職や独立をしたい」(13.0%)、「あと5年ぐらい勤めたい」(12.3%)を合計した潜在的な転職志願者は44.0%(図4)となっています。 やりがいの源泉は報酬、自分らしさ、キャリアアップ 今回の調査では、若手がやりがいを感じる仕事についても聞きました。それによると、「報酬の高い仕事」が29.0%でトップでしたが、以下は「自分だけにしかできない仕事」(22.0%)、「新しいスキルやノウハウが身につく仕事」(21.8%)、「自分の実績として誇れる仕事」(21.5%)が上位にきています(図5)。報酬以外では、“自分らしさ”の表現や、対外的に通用するスキルや実績を形成してキャリアアップすることが、仕事のやりがいにつながっているようです。 お金以外の報酬として重視しているものを具体的に聞いたところ、「仕事自体の面白さや刺激」(44.5%)、「同僚や後輩から信頼されたり感謝されたりすること」(35.0%)、「顧客から感謝されること」(34.2%)、「上司から高い評価や承認が得られること」(26.6%)が上位に挙がりました(図6)。“挑戦機会や成長機会の豊かさ”と“豊かなフィードバック関係”がモチベーションにつながっているようです。 働くモチベーションをお金と地位だけに頼ることには限界があります。また、お金や地位には資源の制約がありますが、挑戦機会や人間関係から生み出されるやりがいは、使えば使うほど豊かになり、強い組織文化を醸成します。人材の採用や引き留めにも効果が高いでしょう。したがって、今後はお金以外の面で若者にやりがいを感じさせることが、企業の経営戦略に効果的であると、NRIでは考えます。 モチベーション再生力が競争軸に フリーターやニートは、2010年までにますます増加すると言われています。そのような状況下で、2010年以降は、若者の働く意欲を再生できるかどうかが、企業の競争軸の一つになるでしょう。NRIは、企業経営者に対し、若者のモチベーションを再生するための「2010年の経営戦略」として、次の三つを提案します。
NRIは今後も将来の日本を担う若者の仕事観に注目し、企業経営者の取るべき対応を探っていきます。なお、今回の調査結果を掲載した単行本「2010年の日本」が、12月中旬に東洋経済新報社から発行される予定です。 【ニュースリリースに関するお問い合わせ先】
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