NEWS RELEASE
「ハイテク産業の国際競争力の比較研究」公開される

2001年6月18日
株式会社野村総合研究所

 NRI野村総合研究所(本社:東京都千代田区、社長:橋本昌三、以下NRI)は、経済産業省経済産業研究所(本年4月に独立行政法人経済産業研究所に改組)から委託を受けて、「ハイテク産業の国際競争力の比較研究」を実施して参りましたが、本日、その内容が経済産業省より報告書の形で公表されました。
本研究は、経済産業省経済産業研究所が2000年7月より所内に設置してきた「国際競争力研究会」(座長:平野雅章早稲田大学教授)において議論されてきたものです。

 昨今のハイテク産業をはじめとする国際競争の枠組みは、90年代とそれ以前とを比較すると大きな変化を遂げています。例えば、ITやバイオ技術を中核とする技術革新の発展や、規制撤廃、グローバル化などの環境変化によって、国際競争の本質は、従来の生産システムなど経営プロセスの一部の強みから、経営スピードや技術革新のインパクトなど、企業全体の強みへと変化しています。ハーバード大教授マイケル・ポーターの実証研究では、「他国の競争企業より一刻も早く技術革新を起こしていくことが、国際競争でより高次の競争優位を保つ秘訣である」、と述べています。

   研究の対象セクターとしては、今後のIT(情報技術)の優位性に関わるセクター、すなわち半導体、コンピュータ、携帯電話、情報家電等の製造4分野、並びにIT利用のインパクトを見る参考として金融(銀行)分野、計22社の協力を得て、競争力分析を行いました。

   分析フレームとしては、(1)組織IQ分析、(2)マイケル・ポーターの競争環境分析を中心に、全要素生産性(TFP)分析などを用いて、日本のハイテク産業の実証研究を行いました。以下はその要約です。  
1.組織IQ分析(注:NRIが受託実施しました。本格実施は本邦初です。)
 「知識共有が弱く、IT活用のネックに」
 - 組織IQ分析に現われた情報活用の弱さ -

 1) 情報に対する感度が著しく低く「情報の軽視」になっている。
 2) 組織行動には優れたものがあり、現業組織の優秀さを示している。
 3) 事業部門のリーダー層と現場の意識が乖離している。

 (ミニ解説)
 ハイテク企業の組織を分析すると、「戦略や情報の弱さ」と「現場組織の強さ」が特徴づけられる。しかし知識の共有化を一層進めないと、IT活用のボトルネックになる。


2.競争環境分析
 「グローバルな汎用市場か、日本の特殊市場か」
 - 将来戦略のグランドデザインが問われている -
 1)高密度実装技術に依拠する軽薄短小化という強みが、グローバル対応では弱みに転化しかねない。
 2)グローバルな競争フレームの変化に十分に対応できていない。
 3)IT革命という大きな環境変化に、従来の組織的・制度的な仕組みは
  適合しえなくなっており、新しいアーキテクチャの再構築が必要である。

 (ミニ解説)
 ハイテク企業の戦略や環境を分析すると、将来戦略の基盤をグローバル市場に置くのか、国内の特殊市場に置くのかで、国際競争力に大きな差が出てくると予想される。各産業に最適な戦略デザインが重要である。

当リリースの補足資料をダウンロードできます。 (010618.pdf/41KB)

[参考資料]
 本研究会の報告書抄録は、下記のURLからダウンロードできます。
 http://www.meti.go.jp/mitiri/m2001061301.html

 【本件に関するお問い合わせ先】
 野村総合研究所 広報部 井筒、徳重 TEL:03-6660-8370 E-mail:kouhou@nri.co.jp

当リリースに掲載されているあらゆる内容の無断転載・複製を禁じます。すべての内容は日本の著作権法及び国際条約により保護されています。
Copyright (c)2001 Nomura Research Institute, Ltd. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission.
Inquiries : webmaster@nri.co.jp