企業会計の「グローバルスタンダード」

「グローバルスタンダード」という言葉をご存じですか? グローバルスタンダードとは技術や製品における世界標準の規格を意味し、ビジネスや制度に関する国際的な標準ルールや慣行などを指す場合もあります。国際機関が規格やルールを定める場合もありますし、世界中で普及した製品や技術が実質的なスタンダードとして認知されるようなケースもあります。
今、企業の会計方法に関しても「グローバルスタンダード」についての議論が盛り上がっています。


企業活動のグローバル化と会計方法の統一化

多くの企業が一つの国だけでなく、世界の様々な国で活動するようになってきています。一方で、企業の会計情報というものは、その企業の成績表であり健康診断書に相当する重要なものです。投資家の人たちなど、“ある企業のことを詳しく知りたい”、と考えている人にとって、複数の国毎に異なるルールに従ってまとめられた会計情報を読みこなすのは大変なことです。大変なだけでなく、「利益」などの極めて重要な数字が、全く異なるものになってしまうと、相互の比較ができなくなってしまい、非常に困ったことになります。会計作業を行う企業の人たちにとっても、複数のルールに従った会計情報を作成することは、大変な労力を要するものになります。そこで、国際的に会計の統一ルールを策定しよう、という機運が盛り上がったというわけです。

国際的に注目されるIFRS(国際会計基準)

実は、かなり以前から国際的な会計方法の統一ルール作りの話は行われていました(詳しくは脚注をご参照下さい)。その後、様々な国際的な議論を経て、現在、「国際会計基準」(IFRS;International Financial Reporting Standards)と呼ばれるルールに整理されています。
今、日本でこのIFRSが大きな注目を集めています。注目を集めている主な理由としては、(1)2005年にEUでIFRSの強制的な適用がスタートしたこと、(2)日本においても、2009年6月に金融庁が「2015〜2016年頃に日本でもIFRSの強制適用を行うための検討を進める」と公表したこと、の二つが挙げられるでしょう。IFRSの「グローバルスタンダード」としての位置づけが一段と高まり、日本企業においても(表現は悪いですが)、“対岸の火事”ではなくなったということもできます。

先にも触れましたが、会計報告は、企業にとって健康診断書にあたるような非常に重要なものです。その計算方法が変わると社会的にも極めて大きな影響が生じる、ということは容易に想像できますね。しかし、“大変だ”というだけではなく、日本企業の国際的な競争力向上に繋がるように、企業にとっても運用しやすいルールにするように、そして投資家にとっても公平で分かりやすい会計情報が得られる仕組みにするように、関係者同士で十分に相談した上で進めていって貰いたいものですね。大所高所からの判断に基づいた取り組みに期待しましょう。

国ごとに会計基準が異なると・・・ 会計基準が統一されれば・・・

参考:『知的資産創造』2009年9月号(野村総合研究所):
「IFRS(国際会計基準)導入による日本企業へのインパクト」
掲載日:2009/10/08

参考)
1973年に主要国の会計士団体が参加するIASC(International Accounting Standards Committee;国際会計基準委員会)が発足し、IAS(International Accounting Standards;国際会計基準)の議論がスタートした。
2001年にIASCから改組されたIASB(International Accounting Standards Board;国際会計基準審議会)は、これまでに、29のIASによる基準と、あらたに設定した8つのIFRS(International Financial Reporting Standards;国際財務報告基準)、およびそれらの解釈指針を公表している。
また、IFRSは、それらを総称したものとしても使われている。正式な名称は、国際財務報告基準であるが、簡略化して「国際会計基準」と呼ぶ場合も多い。

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