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NRI CSR対談

日本再生に向けたNRIの社会的責任最相 葉月 ノンフィクションライター嶋本 正 NRI代表取締役社長

被災地域の復興を目指して新たな未来を提示し、さらにはその先にある日本再生を図るために、NRIは何ができるのか、社会から何が問われているのか。科学技術と人間のかかわりなどをテーマとし、執筆を通じて復興支援にも取り組むノンフィクションライターの最相葉月さんとNRIの代表取締役社長である嶋本正が語り合いました。

――震災、ならびに復興支援にかかわって、改めて気づいたことは何でしたか。

最相 葉月

最相地域が第一であるということ、そして、他者の想いをどこまで想像できるかということが問われた気がします。支援活動は、やはり地元のネットワーク、人と人とをつなぐ土台があってこそできるものです。そこをいかに守るか、人と人との関係性がいかに重要かを、私自身、取材などのさまざまな活動を通じて実感しました。御社は震災直後から、復興支援の活動を展開されていますね。

嶋本NRIは、まず情報システムを止めないことに注力しました。われわれは、自社のデータセンターを用いて、さまざまな企業の情報システムの運用を担っています。システムを止めてしまうと社会に大きな影響を及ぼしてしまいますので、そこは絶対に守る。次いで、被災されたお客様企業に対して、社員が現場に出向き、緊急事態に対してできる限りのお手伝いをさせていただきました。そのうえで「震災復興支援プロジェクト」を立ち上げ、リサーチやコンサルティングでの蓄積を活かして被災地の復旧・復興に関する提言を行いました。また、ITを活用して、被災地の方が何を必要としているのか、通行可能な道路はどこか、支援物資をどう送ればよいかなどがわかるツールも無償で提供しました。これらの活動には、仕事や過去のボランティア活動の経験を踏まえ、自分が役に立つことは何かを考えて名乗りを上げた社員が何人もかかわっています。

最相手続きや順番を考えるより、まず行動を起こして、できることを行う。そんな人が力を発揮したということを、阪神・淡路大震災のときにも聞いています。

現場力の発揮 想定外を想定する

嶋本 正

嶋本今回の震災でよく使われた言葉として「現場力」があります。被災地では目の前の非常事態に対して、被災者、自治体、企業の方々がそれぞれの現場で、自律的に判断して動きました。日本人には、こうした自律的に動ける強みがあるのではないかと感じました。

最相現場力を発揮できるベースがあったと私も思います。たとえば、陸前高田市の保健行政は、隣接市の保健師だった方を調整役として立て直しが図られました。公衆衛生に携わるボランティアによってITを利用した保健システムの遠隔フォローも行われました。こうした復興支援のかたちは大変参考になると思います。

嶋本緊急事態や何か大きな変化が起きたときに、自分だけで対処できないことは、周りに助けを借りたり、連携しながら解決していく。ITの進展によって、それがより効果的に実行できるようになったと思います。たとえば、ネットワーク上でいろいろなデータの処理・活用ができるクラウド・コンピューティングは、機器やデータベースを現地に置いていなくてもよいわけですから、震災地域の支援に役立ち、有効な仕組みであることが実証されました。

最相震災では「想定外の事態」という言葉もよく使われました。自然はつねに人間の想定をはるかに上回ることを思い知らされました。

嶋本普段、われわれがシステムを開発する場合でも、いろいろな障害時や異常時を想定して、そのときの対応方法を考えておくことが必須ですが、今回のことでは、改めて「想定」の範囲をどこまで広げて考えるかということが、重要だと感じました。

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