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情報化の進展や、スマートフォンをはじめとする多様なデジタル端末の普及・利用などに伴い、世の中を流れるデータ量はメガバイト、ギガバイト、テラバイトと増え続け、ついにはペタバイトへと大規模化が進行しています。こうした大量かつ必ずしも構造化されていないデータ群を、「ビッグデータ」と呼んでいます。先進的な技術を用いて、ビッグデータを収集・分析・活用することが、今後の社会やビジネスで期待されています。

取引に伴う受発注や売上データ、商品情報、顧客情報など、企業はさまざまなデータを生成・保有し、情報システムで管理しています。IT化の進展に伴い、これらのデータは年々増え続け、処理・蓄積されるデータ量は膨大になっています。最近は、「Webサイトへのアクセスログ」、「ツイッター(Twitter)やフェイスブック(Facebook)など、ソーシャルメディアへの書き込み」、「コールセンターへの問い合わせの音声記録」、「携帯電話に搭載されたGPS(全地球測位システム)がとらえる位置情報」といった、従来処理してきた数値情報以外のデータが急増し、日々データセンターなどに蓄積されていきます。
こうした極めて大量で複雑化・多様化したデータ群は、「ビッグデータ」と呼ばれています。2011年時点では、一つのデータベースにおさめられたデータ量の目安として、数十テラバイト(1012バイト)から数ペタバイト(1015バイト)以上のものが出てきています。*1このような大量データは、従来の技術では管理や処理をすることが困難でした。しかし、技術の進化と大量データを扱う環境が整ってきたこともあり、むしろそれを「宝の山」と捉え、ビジネスや社会で有効活用することが期待されています。
*1・・・ブルーレイディスクの容量が約1テラバイトで、地上デジタル放送画質で約120時間の録画が可能です。1ペタバイトは、その1000倍にあたります。

では、これらの大量データの収集と分析によって、何ができるのでしょうか。例えばあるパソコンメーカーでは、電話やメールでコールセンターに寄せられる膨大なお客様の声を分析し、そこから浮上してきたキーワードをモニタリングしています。これを通じて、自社商品にどんな問題(例えば、「使用中に変な音がする」といった不具合の発生)が起きているかを速やかに把握し、設計変更や部品調達を見直すなど、製品・サービスの向上に役立てています。
図1.お客様の声を分析した結果の例

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過去1ヶ月間で、パソコン使用時の「フリーズ」に関連する「声」が急増。「充電する」も増えている。メーカーではフリーズの原因を追究し、対応を検討するきっかけとした。
(NRIのテキストマイニングソリューション「TRUE TELLER 顧客の声ポータル」を活用した事例)
このように、取り扱うデータとしては数値だけでなく、文字・音声など多種多様なものを集計して、いくつもの視点から分析することで、お客様一人ひとりに最適なサービスを提供したり、精度の高い売上予測や集客予想を行うことができます。また、個々にはたわいないつぶやきの情報であっても、大量に集めて分析することで新しい発見が生まれ、社会課題の解決に役立てることが可能になります。消費者の声や行動が、思いもよらない社会の「宝物」になるのです。
しかし雑多なデータを「宝物」に変えるには、大規模データを効率的に収集する技術やデータをためる環境、さらに、集めたデータを集計・分析する技術や、分析結果を活用するためのノウハウが不可欠です。
NRIは、調査・コンサルティング活動や金融機関や流通企業向けのITソリューションを提供するなかで、40年以上も前から多種多様なデータを扱い、お客様の事業展開やサービス向上に、それらのデータを生かす経験・ノウハウを積んできました。そして、収集データを解析して新たなパターンや関係を探り出す「データマイニング技術」を使い、課題の解決や戦略の立案を行うコンサルティングや、大量なデータ分析の仕組みづくりにも携わってきました。
図2.「TRUE TELLERテキストマイニングVer8.0」による将来のキーワードの出現傾向を予測した例

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これらをもとに、2001年から「TRUE TELLER(トゥルーテラー)」というテキスト分析ツールを開発し、企業や官公庁に提供しています。
最新の「TRUE TELLERテキストマイニングVer8.0」では、お客様や市場の動向について、将来の変化方向を予測したり、分析結果の解釈を自動的に行う新機能を搭載するとともに、これからさらに増え続けることが確実な大量データの高速処理を可能にしました。
「お客様や社会の人々の声を活用して、社会課題を解決する。」これがNRIとしての本業を通じた、社会的責任を示す姿勢です。

一つひとつは小さなデータでも、大量に収集・分析することで、その結果を社会問題の解決に役立てられる可能性があります。全国で走行している1万台以上のタクシーや携帯電話などから提供される、国内道路距離の1000倍以上にあたる、年間13億kmにおよぶ大量の走行軌跡データを瞬時に処理・分析し、日本国内のほぼすべての道路の交通情報を生成することができる、NRIの「PROBE交通情報」がその一例です。また、2011年3月に起きた東日本大震災後には、NRIは、ツイッター上の膨大な数の投稿を分析し、被災地で必要とされる物資などの情報を公開しました(下記、コラムで紹介)。
収集したビックデータを分析し、未来の予測や、よりよい社会づくりに役立てる。ITが豊かな未来社会の創造を担う一つの方向性として、次のステージが見えてきています。
NRIは、個人情報保護などセキュリティ管理にも配慮しつつ、「TRUE TELLER」を代表とするビッグデータ活用型のITシステムやサービスを通じて、安心・便利で豊かな未来社会の創造に貢献していきます。
参考:

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東日本大震災の発生からまもなく、NRIは「TRUE TELLER」で豊富な実績をもつテキストマイニング技術を活用して、ツイッター上の膨大な数の投稿を分析し、被災地のニーズを明らかにした「ソーシャルメディアによる被災地の声 分析レポート」を公開しました。
地震直後は、真偽も含めて判断が難しい多様なツイートがツイッター上に飛び交いました。広大な被災地において、必要な物資を速やかに届けるには、どこで何が求められているのかを迅速・的確に把握することが不可欠です。NRIは、少しでも被災者・被災地支援の助けになることを願って、4月1日から9月30日まで、Webサイト上で上記の分析情報の発信を続けました。国会議員や被災地を支援する方々から、「非常に役に立っている」というお声をいただきました。


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発行:翔泳社 定価:1,800円+税
発行年月:2011年11月
著者:野村総合研究所
ICT・メディア産業コンサルティング部 鈴木 良介
海外を中心とした「ビッグデータ」の活用企業、および活用を支援しようとするIT事業者の最新動向や戦略を元に、ビッグデータビジネスの方向性を詳細に解説します。ビッグデータの活用を支える中核技術や、その周辺技術の動向を紹介するとともに、ビッグデータ活用のための課題や、利用サイド事業者/支援サイド事業者双方における今後のビッグデータビジネスの将来像などについて、広範に掘り下げます。
(2012年2月7日公開)